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お気に入りの絵本 「パプーリとフェデリコ」 

2020/06/20


パプーリとフェデリコ ガブリエル・バンサン 

パプーリは人社会を離れ、ひとりきりで森で暮らすことを選んだおじいさん。

世間からはじき出された少年のフェデリコと、一緒に生きていくことになります。


「わずかなものしか持たなくても、たっぷりと生きる」


なんと素敵なんでしょう。理想の暮らしです。

ものがあふれて、欲しいものはすぐに手に入る時代になりました。

でも、たくさんのものに囲まれても心が満たされていなければ、本当に幸せとは言えないのではないでしょうか。


パプーリにとっても、フェデリコにとってもお互いがなくてはならない存在となっていきます。会話だけでお話は進みます。

淡々としたストーリーですが、2人の心のうちがしみじみと伝わってきます。


ガブリエル・バンサンといえば、デッサンの人です。

代表作の「アンジュール」は捨てられた犬が旅をするお話です。

本当にサラサラっと描いた線画の絵本ですが、犬の孤独感さえも感じられる素晴らしい作品で、思わず涙してしまいました。


「パプーリとフェデリコ」は1. 森にくらして  2. 海べで  3. でっかい木 の三部作となっています。


「たっぷりと生きる」2人の姿に癒されながらも、この暮らしがそう長くは続かないことも気づいてしまいます。「老い」です。

だからこそ、瞬間瞬間がかけがえのない時間なのだろうなと切なくなりました。


この絵本が、ある映画を彷彿とさせると最後に書かれていました。

ジャン=ジャック・ベネックスの「I P 5」という作品です。ぜひ観てみたいと思ったのですが、レンタルビデオ店では取り扱いがありませんでした・・・。

TSUTAYAの渋谷店のみ扱いがありました・・・。う~ん。遠いです・・・。


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